2018年映画ベスト10について
本来やりたかった2018年の映画ベストの話を書いていきます。
東京に住み始めて2年と少々経ちました。
一昨年2017年は、新しいことばっかりで土地にもまったく慣れずに何より人間関係にも悩まされまくった年だったので、映画あんまり見に行けてなかったのですが、2018年は徐々に東京という土地に慣れ始めて、住みやすい場所に引っ越して以前よりはストレスフリーな暮らしを過ごせたと思います。
なので2017年よりは映画見れた年になりました。
東京は映画館が圧倒的に多くて今どこでなにがやってるのか把握するのが大変ですが、今はそれも楽しいです。今年もたくさん映画見れますように。
2018年映画ベスト10をツイッターに書いたのですが少しのコメントと共にこちらにも残しておきます。
1位『きみの鳥はうたえる』三宅 唱
最近、誰かと飲んでるときに今ここにカメラがあったらどうゆう風にうつるんだろう、とふと思う、これはこの映画の影響。役者がお芝居をする、役を演じてる、その前にあくまで役者本人というひとりの人間がいる。本人からの魅力のような、でもそれはあくまで映画の中の人物なんだけど、そうゆう瞬間を切りとることに劇映画として成功しすぎてた気がする。
去年は『ハッピーアワー』(濱口竜介)をDVDや映画館で繰り返し見た年でもあったのですが、そうゆうことを意識して見てたかもしれません。
三宅さんは、カメラを通してなにか言葉にできないけどかけがえのない瞬間がうつってる!みたいなものを撮りたいんだろうなって。人物を魅力的に撮ることがこんなに映画を豊かにすることを改めて感じました。
10代の頃、少し前までかっこいいと思ってたことが急にダサく見えたりしたものだ。ほんとに大切なものは今でもちゃんと残ってるもんなんすよね。去年見た映画で、一番自分に近しい映画でした。友達と早稲田松竹に見に行ったあとにそのまま居酒屋へ行き、結局朝まで『レディ・バード』の話を1カット目から振り返った思い出込み込みの2位。話し合った、結果ダメなとこなかった。すべての細かい演出が行き届いてる。グレタ・ガーウィグ天才説濃厚。
2年ほど前に三宅さんがガレルの『ジェラシー』('13)という映画を紹介しててそこからガレルの映画を見るようになった。
この作品もシネマヴェーラへ封切り日に見にいきました。登場人物3人の少し歪な関係性に見ていてクラっとしちゃった。
父と娘と父の恋人(娘と歳が近い)が3人でひとつの家に住む。娘と父の恋人が共犯関係のように秘密を共有するさまはなんか妙にうっとりした。シーン変わってぱっと次のカットに飛んだ時の何この状況?!みたいな引き寄せ方がずるいなぁ。
きみ鳥に並んでダンスシーンが飛び抜けて良かった映画でもありました。
自分でも予想してなかった自分が急にあらわれてしまう瞬間はなんて恐ろしく、ただそれは少し美しくもあること。
周りを気にせずに自分の欲望が溢れ出てしまう。そうゆう瞬間にどうしてこんなにも胸がうたれてしまうのかな。
朝子という人物のつかみどころがないようで実はしっかり意思表示をしたり義理堅い部分があるおかげで彼女のどんな行動にも着いていけたな。どんなこと言っても受け止められる信じれる人ってたまにいません?そんなヒロインだった。
今が最高とか最低とか分からん、ただすべてを抱えて生きてくしかないなって。同監督の『PASSION』でも思ったりした。2018年。
TIFFでけんすくんに急遽で誘ってもらって見たんですけど、面白かった。私はこうゆう映画が好きなんですね、きっと。
私は先のことあまり考えずにその場で起きてることを割と受けとめて映画を見るので楽しみまくりました。
まだ公開されてないのであたり何も言えませんが、主要3人の女優の演技がとにかく素晴らしいです。
6位『ボヘミアン・ラプソディ』ブライアン・シンガー/デクスター・フレッチャー
ライブエイドはもちろん最高なのですが、そこまでの地道な演出も良かった。
電話が異様に使われてるんだけど、いろいろ考えちゃって。ただ映画で電話を使うのって会話してるけどひとつの画面におさまらないって利点なんじゃないかな。顔もお互い見えないから、別のカットですれ違う演出しやすい。だからこそ直接人と人が会うシーンの嬉しさが半端じゃなかったり。
あと、私は音楽家の伝記映画としてThe beach boysの『ラブ&マーシー 終わらないメロディ』('14)が好きで、それでも彼らのアルバムをつくる過程にすごく感動してしまったんだけど、今作もそこの部分にもちゃんっと最高の多幸感がつまってて、音楽ってこんな楽しいもんなんやって当たり前のことに当たり前に気付かされた。こんな捻くれた私にも直球に胸に届いてきて、奇跡起きてるやん!って。
一個人に向けての救いも、おっきい膨大な規模である映画としてのロマンも詰まっていた。この映画どこに向かってるんだろうって思い続けてひとつひとつ扉をあけてく感覚でした。映画にひとつでもワッて息を飲むシーンがあるだけで恋しちゃうな、というのもたくさん感じた2018年、視覚的な美しさ。ジオラマがそれだった。それが現れた時に映画館でおっきなクシャミしちゃったんやけど。興奮しすぎたんかな。
今年の映画だと『フロリダプロジェクト』も虹とか花火だったりそうゆうのワッて心奪われた。
ポランスキーの前作『毛皮のヴィーナス』('13)が大好きで、ポランスキーの奥さんであるエマニュエル・セニエがまたもや素晴らしい。
少しエヴァ・グリーンの爆弾的異様な存在感がやり過ぎなように感じましたけど、過剰なほどの彼女の存在が変に笑えたりして面白いバランスを産んでたのかな、と。
真新しさに欠ける感じもあったのですがドキドキしたのは事実です。
それはやっぱりエヴァ・グリーンの存在のおかげなのかもしれません。
あと女性が2人出る映画が好きなんだな、と去年に気付きました。
事件に寄り添わずあくまで本人たちの人生に寄り添って進むストーリー展開に、その列車に乗り合わせた偶然性が磨きがかかって、驚くほど恐怖を感じましたね。イーストウッド変態ですな。
あと旅行パートはどうゆう撮り方をしてるんだろう、あんなの素人じゃなきゃ出来ないのかもしれない、カメラがあることが普通!くらいの状況までもっていくくらいずっとまわしてたんちゃうかな。未経験の方が芝居をするって『ハッピーアワー』もよぎらずにはいられんなぁ。旅行パートが好きやなぁ。
10位『アンダー・ザ・シルバーレイク』デヴィッド・ロバート・ミッチェル
デヴィッド・ロバート・ミッチェルの映画って、めちゃくちゃ男性っぽいなって思う。ただ、こんな映画をこのご時世に作れる人、作っちゃう人ってなかなか居ないと思う。
ミステリーやノワールを飛び越えてて、よく分かんねえって思う部分もあるけどワンシーンワンシーンちゃんと面白い、ちゃんと映画の中に入って進んでいく感覚で、見終わったあとに凄いもの見たわ!って走って帰ったよ。
以上です。
新作いくら数えても28本しか見てない2018年だったのです。
見た映画のタイトルを眺めてると、あの監督の新作やから観に行こうってのばっかりで新しい挑戦みたいなものがあんまり出来なかったと反省。今年はもっと挑戦していきたいな。
旧作編もゆっくり更新していきます。
今年もよろしくお願いします。
❤️